無鉄砲の思い出
昨日大事なセーターに穴が開いていることに気がつきました。
学生時代、友人と2人で行った上海で買った、35年モノのカシミヤのセーターです。
毎年大事に着ていましたが、あまりの着心地の良さにここ数年は長女のモノになっていました。
カケハギに出そうかと考えているとセーターを買った時の状況や値段、旅行のことなど
数珠つなぎに次々と思い出し、我ながらおかしくなってしまいました。
出勤準備をしている長女に話すと驚かれたり呆れられたり‥。
私が友人と中国に旅行したのは就職前の春休みです。
当時神戸から上海まで船が出ていて、時間がある今だから行ってみようということになりました。
ゼミの卒業旅行が箱根だったので、箱根から熱海に出て新幹線で神戸へ。
箱根から熱海までは友人の彼が車で送ってくれ、3人で鰻を食べたような記憶があります。
彼のご両親のご実家が熱海で、おいしい鰻屋さんを知っているからと。
神戸に着くと今度はせっかく神戸に来たのだからと2人で神戸牛を食べに。
若くていくらでも食べられる時期だったのでしょうね。
神戸から船に乗って上海に行くのですが、ツアーではなく全くの個人旅行です。
友人の友だちが上海の復旦大学に留学していたので、上海では学生寮に泊めてもらえるけど、その他はノープラン。
当たり前ですが携帯もなく中国と日本では電話も通じにくい時代です。
手がかりは「地球の歩き方」くらいしかなかったのに、よく両親は中国行きを許可したと思います。
今から考えると上海では私がインフルエンザのような症状になり(病院には行かず自力で治す!)
治るまで友人には1人で出かけてもらったり
その後の蘇州旅行では行き当たりばったり、その日の宿泊先を自分たちで探し直談判で決めました。
手がかりは「地球の歩き方」のみ。とても無鉄砲で、自分の子供たちには決してさせたくない旅行です。
ただ当時は中国の方が使用している紙幣とは違う、外幣と言う外国人専用の価値が高い通貨がありましたし
短期留学の時にもらっった「北京大学」のバッチや学生証が力を発揮してくれ
拙い中国語でもどうにか宿泊交渉をすることができました。
セーターを買ったのは上海の外灘のホテルです。たぶんバンドを聴くために入ったのだと思います。
上海と言えばバーのジャズバンドが有名で、当時日本でもジャズが流行っていました。
一目惚れしたセーターは日本円で1万円くらい。当時としては高級品で、ホテルのガラスケースに飾られていました。
タグを見るとカシミヤ100%と書いてあります。
35年経っても肌触りよく、風合いはそのまま
これこそ一生モノと言えるのかもしれませんね。
SnowLotusというブランドが今もあればまた買いたいです。
病気はしたものの特に危険な目にも合わず、帰りもまた客船で上海から神戸に、そして東京戻ってきました。
中国にいる間一度も家に電話することなくです。
そう言えば友人は中国で美容院にも行っていました!
座ったままの姿勢で髪にシャンプーをつけ泡泡にするのが中国式のようでした。
長女は「ママの言うことはメルヘンすぎてよくわからない」と言っていますが全て事実、遠い昔のお話です。